大会長挨拶

ご挨拶

日本吃音・流暢性障害学会 第8回大会
大会長  長澤泰子(日本吃音・流暢性障害学会 理事長)

 人生には、思ってもみなかったことが起こるものです。昨年の今頃、私達の生活がこのような不自由なものになると想像した人がいたでしょうか。新型コロナウィルスの感染拡大は本学会にも思わぬ影響をもたらしました。幾つかの選択肢を考えましたが、熊本大会は一年間延期し第9回大会として小園真知子教授のもとで開催することとし、第8回大会はWeb大会をすることに決定しました。Web大会を開催するにあたって、このシステムに精通している会員を中心とした準備委員会が結成されました。とはいえ、準備委員会の殆どが本務における初めてのリモート講義などの準備という忙しい日々を過ごしていました。しかも短い時間の中でこの第8回大会を成功させるために頑張って下さいました。

 大会テーマは「リモート時代の新しいコミュニケーション」、2020年10月22日(木)~28日(水)に開催いたします。

 内容は、一般演題、学会企画のシンポジウムとマイメッセージ、さらに臨床セミナーとなります。一般演題は、オンラインポスター発表で、10月22日から28日まで公開・閲覧が可能です。質疑・コメント受付と発表者からの返答の時間も設定されています。対面での学会と同じように多くの質疑やコメントをなさって下さい。学会企画のシンポジウムは「リモート時代における吃音・流暢性障害のある人の課題と支援」について第一線で活躍しておられる先生方の実感と実践を中心に発表および討論をして頂きます。今までは体験者の発表が中心だったマイメッセージでは、「それぞれの立場から吃音・流暢性障害を語ろう」と題して、研究者、言語聴覚士、ことばの教室の教師、保護者、当事者というそれぞれの立場からのメッセージというユニークな企画です。臨床セミナーは、第4回大会で金樹英先生(国立リハビリテーションセンター病院)が講義して下さった「成人の発達障害と吃音」を先生の許可を得て再度視聴します。当時、参加できなかった方は勿論、4年たって聞きなおしてみると、新たな学習ができるのではないかと思います。なお、学会企画のシンポジウム・マイメッセージ・臨床セミナーは10月25日の決まった時間のみの公開になります。詳しくはプログラムをご覧下さい。 

 東京では、いまだに相当数の新型コロナ感染者数が報道されています。日常の検査や指導にしても、分厚いアクリル板越しだったり、様々な形のフェイスシールドを試してみたりと面倒で不便なことが目立ちます。一方、もしコロナがなければ、おそらくZoomやSkypeの便利さを知らないままだったと思います。

 来年の熊本大会で、Web大会も楽しかったね、と笑いながら振り返ることができるように会員の皆様の積極的なご参加をお願い致します。